expand_less 当事務所はお施主様にとってメンドクサイ事務所です。

当事務所はお施主様にとってメンドクサイ事務所です。

当事務所は、お施主様にお願いする事柄がとても多いです。
とにかく”いえづくり”に関わってもらいます。
引きづり込む感じです。
お施主様にとってメンドクサイ事務所です。

このようなスタイルにしたわけ

このように形にしたのには、あるきっかけがあります。

僕の友人がご自身の家を建てた時の話です。
僕がまだ独立する前なので、僕が関わった物件ではありません。

建てたのは、全国的に名前が知れている大きな会社です。

家が完成して暫くたった頃、その話を聞きました。

その友人はこう言っておりました。

友人の言葉

打合せの回数は少なかったね、
プランなんてあっという間に決定したよ。

内装材や設備も1回の打ち合わせで全部決まったかな。

工事現場は一度も見ていないな。
いつの間にかはじまって、
気付いたら完成していたんだよね。

遠くに住んでいたわけでもないし、
行く気になれば見に行けたんだけど、
工事工程の説明もなかったから
見に行くタイミングもわからなかったし
あっと言う間に完成しちゃったから
見に行くタイミング逃しちゃったんだよね。

注文住宅をお願いしたつもりだったのに、
建売住宅を買ったような感じだよ。

契約したころは家を持つことにテンションがあがってて、
家族みんなでワクワクしていたんだけど、
いざ完成して住み始めたら、なんか味気ないし、
家に対して愛着もあまりないんだよね。

寂しい気持ち

この話を聞いて、
僕は建築に携わる人間として
なんか寂しい気持ちになりました。

この流れで満足する人もいると思います。
煩わしいことが一切ないので
楽でいいと仰る方もいると思います。

そのような方はこれでもいいと思います。

もったいない

でも僕は、すごくもったいないなって思いました。

せっかく自分の家をつくるのに、
ご本人はそこに居ません。

もっともっと関わって、
いっぱい考えて、
いっぱい悩んで欲しいと感じました。

ご夫婦での会話も増えると思います。
ご家族とのコミュニケーションも増えると思います。
喧嘩もあるかもしれませんが、
それもいい思い出になるのではないでしょうか。

お子様がいらっしゃるご家庭なら
なおさらです。

ご両親が一生懸命働いて
頑張って建てようとしている家です。

その家ができていく過程を
間近で見られるなんて、とてもいい機会です。

設計の段階では、ご両親がいろいろ試行錯誤する姿を
見せることができます。
工事の段階では、いろんな人が匠の技を駆使して
ご家族の家を造っている姿が見られます。

大袈裟かもしれませんが、
社会の仕組みも理解できるかもしれません。

そして、
家を大切にする心
物を大切に使う心も養えると思いませんか。

設計から施工まで1年にも満たない短い時間ですが、
掛け替えのない時を過ごせると思うのです。

そしてご自分が建てた家に、凄く愛着が湧くと思います。

家と一緒に、この経験を手に入れてもらいたいのです。

家は誰のもの?

他のブログでも書いていますが、
住宅は建築家の作品ではありません。
住まわれる方のモノです。

僕たち住宅の設計をする者の仕事は、
プロとしての知識と経験を生かして、
お施主様のお手伝いをするだけです。

カウンセリング、コンサルタント、サポート、
どの表現もしっくりきませんが、
僕の思いはお施主様に寄り添い、
そしてお施主様が心から満足できる、
お施主様のとって唯一無二の愛着のある家を、
手に入れてもらいたい。
という事です。

それが、僕の願いです。

なので、このようなスタイルで仕事をいます。
メンドクサイですか?

以前、お手伝いさせていただいたお施主様からのコメントです。>>> facebook

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