expand_less 建築条件付の土地を売って、条件を外して建てた家

建築条件付土地の、条件を外して建てた家

東京都三鷹市において、お手伝いさせて頂いた物件です。

階段が3つ、小屋裏収納が2つ
グランドピアノも置ける家

土地/プラン作成

k様の御購入された土地は建築条件付でした。

建築条件付というのは、不動産屋さんが指定した業者により
工事することを条件に土地を売りますよ。っというものです。

独占禁止法に抵触するのではないか?という意見もありますが、
現行法において、違法とはならないようです。

K様は、そのことを納得して購入されたのですが、
指定された業者さんとは、馬が合わずに悩んでおりました。
提案された間取りも気に入ったものではなく、
修正を依頼しても、レスポンスが悪く、
しかも要望が反映されていない状況でした。

そこで、僕のところに相談に来られました。

当初は基本PLANを僕が描き、間取りが決まったら
その後は、指定された業者さんに引き継いでもらう予定でしたが、
その会社の過去物件を見ると、
K様の納得できるようなもではない事がわかってきました。

そこで、建築条件を外す事ができないものかと
仲介して頂いた不動産屋さんと相談することになりました。

間に入る不動産業者は2社あります。”客付け”と”元付け”です。
2種類あるわけでなく、物件により、
どちらかの立場になるという意味です。

不動産を売りたい人から依頼を受けている、
若しくは不動産業者自らが不動産を販売している方が
”元付け”となります。
不動産を買いたい人の依頼を受けている方が
”客付け”となります。
場合によっては、同一業者が両方の役割を果たすこともあります。

K様が相談したのは、”客付け”に当たる方です。
条件付きの土地を販売している方が”元付け”となります。

交渉の結果、条件を外してもいい。
ということになりました。
しかし、それにも条件が付きます。
この土地売買により得るはずだった、
建設業者の利益を支払って下さい。というものです。
得るはずだった利益がなくなってしまったのですから
ごもっともなのですが、
何もしないで損失分の利益をマルマル払えというのも、
なにか腑に落ちないところがあります。

だからといって、じゃ工事をお願いします。
というわけにはいきません。
気に入らない家が出来上がるのは明らかです。

腑に落ちない点を伝え、値引き交渉の末に金額が決定し、
ようやく土地を手に入れることができました。

この後、工事会社の選定です。

指定業者にお願いするつもりだったので、
これまで、施工業者さん探しはいっさいしていません。

ちょっと出遅れた感じです。

そして、条件外しのお金を使ってしまったので
工事予算も大分削らないといけない状況です。

僕が知っている工務店さんでは、
予算的に合わせられませんでした。

ここで、また不動産屋さんに相談です。
「この予算で工事ができるような業者さんを
御存知ないですか?」

さすが手広く事業を展開しているだけあって
よくご存じです。数社の施工会社を紹介してくれました。
工務店さんではなく、いわゆるハウスメーカーに属する会社です。

完全な自由設計ではなく、会社仕様で建てないとなりませんが
その仕様に納得がいくのであれば、このようなハウスメーカーさんを
選択するのもいいかもしれません。

今回の選択の条件として、予算の外に、
既にできているPLANで
建ててもらえるのか?というモノがあります。

設計施工を基本としているところだと、
社外の者が設計したものは、施工が出来ないというところもあります。

数社の候補の中で条件に合った会社を見つけることができました。

ただ、PLANは社外の人のものでも良いが
会社オリジナルの特別な工法で建てることになるので
実施設計は社内でやることになる。ということでした。

設計の立場ですと、それはちょっと・・・っと言う事なのですが
それは、僕の都合であって、お施主様には関係ありません。

元々がイレギュラーな仕事だったので
条件を飲み、設計から全てそのハウスメーカーに
お願いすることにしました。

その後は、お施主様の要望で、
アドバイザー的な立ち位置でサポートすることになりました。

ハウスメーカーから出てきた見積書のチェックや
設計図書の確認、その他諸々

通常なら、お施主様とハウスメーカーの2者だけで行われる
手続きや打合せに立ち会い、目を光らせるという仕事です。

結構、突っ込みどころはありましたね。
ハウスメーカーの方も故意にやったわけではないでしょうが、
危うくお施主様の不利益になりそうな箇所もありました。

このK様邸、ちょっと変わった形で
お手伝いすることになったのですが、
いろいろ勉強になるところもあり、
楽しく仕事ができました。

これは、僕の個人的な意見ですが、
ハウスメーカー等でご自宅を建てられる場合も、
今回のK様邸のように第3者が介在したほうが、
いいように思います。
実際、不利益になりそうな箇所も発見できたわけですし、
ハウスメーカーさんも緊張感を持って仕事をしてくれます。

施工現場にも何度も足をは運びました。
ガンガン指摘したので鬱陶しかったかもしれませんが、
本来監督さんがやるべきことですからね。
ハウスメーカーさんからも感謝して欲しいものです^^

会社によっては第3者機関の介入を許可しないところもあります。
よそ者にうろちょろして欲しくない。
と言っておりますが、
僕が思うに、人に見られるとヤバイというような、
後ろめたいところがあるのではないでしょうか。
自信もって仕事をしているのなら、
誰に見られようが平気ですし、
逆に「どうぞ見て下さい!」
となると思います。

第3者のチェックを拒む会社とは契約しないほうがいいでしょうね。

余談ですが、「施主の親類で~す!」と偽って、
現場確認に行ったこともありますけどね…^^
見ている目つきが、素人ではないので、ばれてたかもしれませんが…

K様のお子様は、ピアノがとてもお上手です。
毎日、ピアノのレッスンは欠かさないそうです。
そんなお子様の為に、お子様の寝室とは別に
ピアノの練習室が設けてあります。

ピアノを新居に置く際には気を付けないといけない事があります。
床の補強や、防音対策等の建築的なことも大切ですが、
ちょっと忘れがちなのが搬入方法です。
今回のようにピアノ室が2階部分になると、搬入にはクレーンが
必要になります。
家の前の道が狭いようですと、車が入れるのかも問題になります。
そして、道路から家に入れる際の経路、搬入する窓の大きさ、
入れた後の取り回し、組み立てスペース。
図面上でキレイに納まっていても、そこまで持っていけるのかが
問題になります。
設計の段階から、ピアノの運搬業者を打ち合わせをしておかないと
大変なことになります。

建物について

概要

※ 家族構成:3人家族(ご夫婦+お子様1人)
※ 木造(軸組工法)
※ 延べ面積:82.80㎡
※ 2階建 + 小屋裏収納(x2)
※ 工事費:2,000万~2,500万円

1階部分

・キッチン(対面型システムキッチン)
・ダイニング
・リビング
・浴室
・脱衣室
・トイレ
・ウッドデッキ

2階部分

・主寝室
・寝室(吹き抜け)
・ピアノ室(吹き抜け)
・トイレ

小屋裏

・主寝室上部に小屋裏収納(出入りは2階廊下からの固定階段)
・お子様の寝室にロフト(出入りは寝室内の固定階段)

建物写真

こちらからご覧ください。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
このブログを書いております”豊田”ともうします。
あなたに有益な情報はありましたでしょうか?
これからも、多くの情報を発信していこうと思っています。
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